クラス替えのやり直しはない?保護者の要望を聞くのはどんなとき

櫻井 司冴

つかさの教室、教室長のつかさです。

新学期、クラス替えのタイミングになると、「〇〇ちゃんとは一緒のクラスにしてほしい」「▲▲君とはクラスをわけてほしい」といった保護者からの要望が寄せられることがあります。

現役教員はなかなか言えない本音を保護者の皆様向けに書いていきたいと思います。

櫻井司冴(さくらいつかさ)
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クラス替えは公平性が大前提

学校にとって、クラス替えは公平に行うべき教育活動の一部です。

一部の保護者の要望だけを聞いてしまうと、「えこひいきだ」「不公平だ」という不満が他の家庭に広がります。

特に公立学校では、公平性と透明性が求められるため、特定の生徒に配慮した編成は原則として行われないとなっています。

もしくは全員の要望を聞くという学校もあると思います。私の元勤務校は生徒に事前ヒアリングを行っていました。

クラス替えの方法については別の記事で解説しています。

要望を聞いていたらキリがない

クラス発表後に、学校側が要望を一つでも受け入れてしまえば、次々と他の家庭からも同様のリクエストが寄せられることになります。

  • 「仲の良い友達と同じクラスにしてほしい」
  • 「この先生とは合わなかったから担任を変えてほしい」
  • 「苦手な生徒とは別にしてほしい」

一見するともっともな要望でも、それを受け入れれば他の子どもに影響が出ることもあります。「クラス替えのやりなおし」について学校側が明言していないのはそこです。

全体のバランスを考慮して決められている以上、公の個別対応は難しいのです。

ただ、人間関係を考慮してクラス分けを行っているのは事実なので、クラス分け前に「過去にいじめられていた」などと、相談しておくことは問題ないのです。

親である皆さんに伝えたいのは大きく分けて2つ。

  • 成長のチャンス
  • 自分の子の人間関係が心配ならすぐ相談

親もポジティブにとらえることが、子どもにも伝わります。

友達がいないなら、新しい交友関係を広げればいい。苦手な人とも関わることで人間として成長できる。そんな風に子どもに伝えることができるといいですね。

ただ、いじめや暴力行為などを受けた場合は即学校に相談してください。学校側は安心して勉強できる空間をつくってくれますので、頼りましょう。

子どもにはいろんな人と関わる経験が必要

クラス替えで知らない子や苦手な子と同じになったとき、子どもは最初こそ戸惑うかもしれません。しかし、学校は社会性も学ぶ場所です。

多様な人間関係の中で、自分の立ち位置を見つけていく力を育てることが大切です。

いつも仲のいい子とばかり一緒では、人間関係を広げるチャンスを失ってしまいます。

どんなクラスになっても、我が子の成長のチャンスだと前向きにとらえるようにしましょう。

どうしても困ったときは学校に相談を

4月になって新クラスが発表されてからの「クラス替えのやり直し」は基本的に受け入れられません。

やり直しが受け入れられないだけで、人間関係において深刻なトラブルがある場合などは事前に担任の先生などに相談しておきましょう。

たとえば、いじめがあった場合などは、すぐに学校へ相談しておくべきです。

ただし、このときも「配慮してほしい」という伝え方が基本であり、「変えてくれ」という強い要求は避けましょう。

もっともな理由を伴う意見であれば、先生たちがクラス編成を考える際に考慮してくれます。

確実に別クラスになる保証はありませんが、クラス編成を考える際の材料にはなります。

つかさ
つかさ

以前勤めていたところでは、生徒間の人間関係については、2学期末に個別の面談を行い人間関係上のトラブルがある相手がいるかを聞いていました。

(同じように)事前に生徒に確認する学校もあるので、おうちでも子どもさんと話してみるとよいと思います。

Q
実際に配慮した人間関係の例(秘)
  • 暴力行為を伴う喧嘩によって、周りの生徒に影響が出た。行った2人を別クラスに
  • 複数人でつるんで、不良行為を繰り返していた生徒をそれぞれ別のクラスに
  • いじめ。いじめグループと被害者をそれぞれ別のクラスに
  • 過去にいじめ行為から、不登校気味になった被害生徒と加害生徒は別クラス
  • 仲の良すぎるグループを別々のクラスに編成(交友関係が依存気味だったため)
  • 親が仲悪いので、保護者懇談会が別になるように別クラス
  • 付き合っている生徒を別のクラスに

など

2024年の「クラス分け」やり直しについて

2024年4月滋賀県の中学校で異例となるクラス分けのやり直しが行われました。

先にこの件について私の意見を申しておくと、今後このような学校も増えてくると思うため、時代の先駆けという意味ではいい変化をもたらしたと思っています。

批判が出ることを承知で、生徒指導上の配慮を優先した判断は素晴らしいと思います。

やり直しを問題視している先生が多くみられますが、本音は「学校に要望を言ってくる親が多くなるからやめてほしい」だと思いますよ。

3月中旬~下旬にかけてクラス編成を行っている学校がほとんどだと思うので、3月初旬までに配慮が必要そうなことは相談しておきましょう。

わがままのレベルであると考えられる要望についてはもちろん考慮されません。

  • 仲良しの○○君と同じクラスにしてほしい
  • ▲▲さんが苦手だから別くらすにしてほしい

まとめ

クラス替えに関して、保護者が「やり直してほしい」と要望するのは基本的にNGです。
それは、子ども全体の公平な教育環境を守るためです。

親として心配になる気持ちは当然ですが、まずは子どもを信じて見守ることが大切です。

どうしても気になることがあれば、年度内であっても担任や学校へ丁寧に相談することから始めましょう。

次回のクラス編成では配慮してもらえる可能性があります。

さいごに

クラス編成は学年の先生たちが何回も何回も会議を重ねて作成されています。

相談があったことに関しては学校側も誠心誠意対応してくれると思いますが、近年は相談件数の増加に伴ってすべての要望を受け入れられないこともあります。

優先度が最も高いのは、「いじめ」です。被害生徒を守るのはもちろんですが、日本では加害生徒を守る必要があります。

いじめが複数件発生した学年は分けるのが本当に困難で、解けないパズルの状態になります。そのような場合は意見が通りにくいこともあります。

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