一卵性双生児と遺伝の関係。二卵性双生児との違いや性別・家系まで徹底解説!

こんにちは、つかさの教室 教室長のつかさです。昔うけもっていた学年には一卵性の双子が4組いました。皆さんの周りにも双子はいますか??
今日は「双子ってどうして生まれるの?」「確率はどれくらい?」といった疑問にお答えしていきます。
とくに一卵性双生児の確率を中心に、遺伝・家系・性別との関係についてわかりやすく解説します!
一卵性双生児とは?
一卵性双生児とは、1つの受精卵が偶然分裂して生まれた双子のことを言います。
一卵性双生児には以下の特徴があります。
- 遺伝子(DNA)は完全に同じ
- 性別も同じ
- 顔や体型が似る
まるで鏡のように似ていることから、「ミラーツイン」と呼ばれることもあります。

特に一卵性の双子でも制服を着ていて、髪型や部活などが同じ場合、見分けがほとんどつきません。
新学期の名前を覚えるときに苦戦した記憶があります。
一卵性双生児が生まれる確率
自然妊娠での一卵性双生児の確率は、約0.4%(1000人に4人)程度です。
しかも、この確率は以下の要素による影響を受けないとされています。
- 人種
- 年齢
- 遺伝や家系
人種間による差がないので、世界中どこでもほぼ同じ確率とされています。繰り返しになりますが、一卵性双生児は偶然の奇跡なんです。
1000人に4人ですが、双子なので2組で4人です。同じ学年が500人いるときに1組一卵性双生児がいるか、いないかくらいの割合ですので、結構少ないと思いませんか?
一卵性双生児と二卵性双生児の違い
二卵性双生児は、同時に2個の卵子が排卵されて受精した結果生まれます。
大まかな違いを表にまとめました。
項目 | 一卵性双生児 | 二卵性双生児 |
---|---|---|
受精卵 | 1つ | 2つ |
発生率 | 0.4% | 0.6%(日本では) |
性別 | 同じ | 異なることも多い |
顔の似方 | よく似ている | 兄弟程度の違い |
遺伝子 | 完全に同じ | 異なる(普通の兄弟) |
遺伝との関係 | ほとんどない | 母親側に遺伝傾向あり |
たとえそっくりな顔をしているとしても、性別が違う時点で二卵性の双子であると考えることができます。

女性の体内では、普通は月に一つずつ排卵されますが、まれに2つほぼ同時に排卵することがあります。
2つ同時に排卵されると、2つ同時に受精する可能性があるということです。
2つとも順調に成長することで二卵性双生児になります。
二卵性双生児はそれぞれ別の受精卵なので、遺伝的には兄弟のような関係になります。一般的に兄弟の遺伝子は半分程度同じになっているといわれています。
当たり前かもしれませんが、普通の兄弟と違い同じ子宮内で育つという特徴があります。
一卵性双生児や二卵性双生児は家系と関係があるの?
ここが気になる人も多いですよね。今までの説明をまとめるとこのように考えられます。
- 一卵性双生児:家系・遺伝は関係ない
- 二卵性双生児:母親側の家系に二卵性双生児がいると確率が上がる

つまり、「うちの家系は双子が多いんだよね~」という人の場合、多くは二卵性双生児です。一卵性双生児が多い場合は奇跡の連続と言えるでしょう。
- なぜ家系で、生まれやすさに違いが出るのか?(クリックでひらく)
-
排卵を促すホルモンや遺伝的な体質で、複数排卵が起こりやすい体質の女性がいます。
その体質が娘に遺伝することで、二卵性の双子が生まれやすくなります。
その生まれた子供にも体質が遺伝していれば、また二卵性の双子が生まれやすくなるということです。
複数排卵も人によっていろいろあり、左右の卵巣から一つずつ同時に排卵される人や、片方の卵巣から2つ以上排卵される人がいます。
双子の確率が上がる条件は?
実は最近、双子が生まれる確率が少しずつ上がってきています。その理由を説明していきます。
基本的に、二卵性双生児の確率が上昇します。一つずつ順番に解説していきます。
不妊治療(排卵誘発剤や体外受精)
不妊治療では、排卵をうながす薬(排卵誘発剤)が使われることがあります。
通常は1個しか排卵されない卵子が2個以上排出されることもあり、複数の卵子が受精する可能性が高くなります。
体外受精では、妊娠する確率を高めるために複数の受精卵を戻すことがあります。受精卵が2つ以上着床すれば双子や三つ子になります。
体外受精を行うことによって、胚の分裂を促す可能性もあります。胚が分裂することによって一卵性双生児が生まれます。
自然妊娠と比較して、体外受精の方が一卵性双生児の発生率が高くなると報告されています。
35歳以上の高齢出産
年齢を重ねるごとに女性の体は妊娠しにくくなっていきます。妊娠のしにくさを補うために、1回の排卵で複数の卵子を出すことが増えるとされています。
排卵される卵子の数が増加するので、2つ以上の受精卵が着床する可能性が増加します。
また、35歳以上で不妊治療を受ける人が増加するのも双子が多くなる要因となっています。

そもそも高齢出産であると、出産自体が命の危機になる可能性も高くなります。
双子を授かった場合、母体にかかる負担もとても大きくなるのが大変です。
出産経験のある女性(経産婦)
一度出産した経産婦の場合は、子宮内の環境が整っているとされており、受精卵が着床しやすくなっています。
産後の排卵の周期も安定しやすいとされており、卵巣機能が活発な間に複数の卵子が排卵されやすくなることがあります。
また、初産のときよりも年齢が上昇しているので、先ほど説明した高齢出産に近づくことになります。
さまざまな要因によって、排卵される卵子の数が複数になることがあります。
双子を望むなら知っておきたいこと

双子は可愛らしい反面、妊娠・出産・育児にはリスクや大変さもあります。
何といっても、双子は授かりものです。狙って産めるものではありませんし、授かった命は大切に育てるほかありません。
まとめ:一卵性双生児の確率は偶然が生んだ奇跡!
双子の中でも一卵性双生児はとくに「偶然の奇跡」といえる存在です。
- 一卵性双生児の確率は 約0.4%(500人に1組)
- 遺伝や家系の影響は少ない
- 不妊治療や年齢が影響するのは主に「二卵性双生児」
- 一卵性双生児は性別が同じで、顔もそっくり
- 性格や細かい部分は違いが出ることも
「もう1人の自分がいたら…」そんな夢のような存在が現実に生まれる確率が、たったの0.4%。
二卵性双生児でも0.6%程度しかありません。合わせても1%しか生まれる確率がないんです。双子は本当に不思議で、素敵な存在です!