【中1 担任向け】学級開きの台本やセリフを紹介。黄金の1日をつくる(入学式編)
つかさの教室、教室長のつかさです。
入学式の後の学活の時間。生徒にとっては、入学式の緊張から解放された1時間。保護者にとっては、その先生がどんな一年にしてくれるのか楽しみな1時間。
そんな学活をより豊かにする1日のセリフを書いていきます。
私が実際に行った学教開きのセリフを紹介します。学校の実態、自分自身の話し方に合わせて変えてください。
当日の流れと注意点は別の記事にまとめていますので、下のボタンから先にそちらの記事をご覧ください。
入学式前の廊下にて(学活はここから始まる)
担任は、廊下と教室を見渡せる場所にスタンバイします。新入生を教室に迎え入れましょう!
「こんにちは、ここは○組の教室です。お名前を教えて下さい。」
入学式で緊張しています。とびっきりの笑顔で迎えましょう。名前を聞いたら、座席表をみせながら、一緒に座席を確認します。指さしたりなんかでも良いです。
「座席分かったかな?スクールバックは後ろのロッカーに入れておこうか。」
(スクールバックは机の横でも良いです。トイレ行きたい子は行かせてもいいです。)
~みんなそろうまで、同じように声をかけます。~
そろったら、自己紹介をはじめましょう。一つだけ注意があります。
【みんなが自分のことを見ているか確認してから】話し始めます。見ていない子が居たら少し待てば見てくれます。
「皆さん、入学おめでとうございます。1年間皆さんの担任をします、●●です。よろしくお願いします。皆さんに会えるのをとても楽しみにしていました。詳しい自己紹介はまた、時間があるときにします。」
「入学式まで少し時間があるので、入学式の流れを確認しておきます。小学校の卒業式ができた皆さんなら、できると思いますので、一度しか説明しません。よく聞いてください。」
一度しか言わないと言っておけば、ぐっと集中してくれます。
~スライドの説明をします。スライドについては別の記事で紹介しています。~
スライドとともに起立するタイミングも練習します。
「皆さんが立たないといけないのは号令は2つです。新入生と皆さんと呼ばれる時は反応してください。」
スライドの確認が終わったら、名前と顔の確認へとうつります。
「呼名の練習をしたいと思います。先生も緊張しているので本番と全く同じセリフを言います。自分の名前が呼ばれたら、返事をして立ってください。イントネーションが間違っていたら、すぐ教えてください。」
「2組 △△」「はい!」「□□」「はい!」・・・「以上○名、着席」
大げさに拍手しながら「大きな声で返事できていました。入学式も大きな返事をよろしくお願いします。」
声が小さかったら、もう一度繰り返し練習しても良いです。トイレが他クラスとかぶらないように呼名の練習の時間をずらしたりして調節しておきましょう。
地域によるかも知れませんが、4月上旬はまだまだ肌寒いです。今トイレに行きたいと思っていない生徒にも促す必要があります。
「では、○分までトイレ休憩にしたいと思います。トイレは教室を出て左にあります。入学式の途中でトイレに行きたくなるかも知れないので、一度トイレにっておくといいです。トイレが終わったらすぐ戻ってきてください。では、休憩してください」
~トイレ休憩~
時間があれば呼名の再確認を行うが、入学式の関係で移動する時間になった場合は移動のために廊下に並ばせる。並び方はスライドで確認しておく。
「みなさん時計を見て行動することができましたね。とても頼もしいです。体育館に移動する時間になったので、廊下に並びましょう。」
~教室のイスがきちんと机に入っているか確認します。電気はさいごに先生が消す~
「廊下へ並ぶときは静かに並びます。あら?イスが机に入っていない人が居ますね。イスをしっかり入れておきましょう。」
(並んでいる子どもたちの順番を確認できるなら確認しておいた方が良いです。順番間違えると入学式でもそのままになってしまいます。)
「移動するときは静かに移動します。では、体育館まで移動します。」

ここまでは、緊張感を持った状態で進めていきます。
緊張感のない状態で体育館へ向かうと入学式の中でだれてしまい、今後に響きます。黄金の1日目は緊張を上手く利用しましょう。
教室に戻った後
「一度自分の座席に座ってください。」
~しっかり座るのを確認~
「入学式の時の姿勢は素晴らしかったです。もう立派な中学生の一員になれましたね。
もう少しすると保護者の人達が来ます。先生のお話を聞く時間があります。とっても大切なお話をするので、トイレに行きたい人は今のうちに行っておきましょう」
保護者が廊下の掲示物を確認していたり、教室をのぞいていたりします。
「皆さんそろいましたね。もう少ししたら先生のお話をします。おうちの人にも教室に入ってきてもらいます。…。教室のココを中心に皆さんの机をぎゅーーっとくっつけておうちの人が入れるようにします。」
教卓の前に机が密集する。
「おうちの人が入ってきたら、先生のお話を始めたいと思います。」
級外の先生など「もうすぐ、担任の先生のお話が始まります。どうぞ保護者の皆様、教室のなかまでお入りください。」
学活「学級開き」のセリフ
保護者と新入生が自分に集中しているな。と思ったら話し始めます。
「新入生の皆さん。保護者の皆様。ご入学おめでとうございます。」(軽く礼)
「1年2組の担任をすることになりました、櫻井司冴です。1年間よろしくお願いします。」
(生徒全体を見渡しながら)
「今日はみんなに中学校生活で大切にして欲しい3つのことについて話したいと思います。この3つを覚えて帰りましょう。
まず一つ目、皆さんはどうして中学生になれたのでしょうか?。小学校を卒業したから?も、もちろんそうなんですが、周りを見てください。今まで12年間支えてくれた家族が居たから、中学生になれたのです。今日は入学式が終わったらすぐに帰ることができます。なるべく多くの家族に「中学生になったよ、ありがとう。これからもよろしくね」と伝えましょう。今日伝えることはできませんが、小学校の先生や地域のおじいちゃんおばあちゃんなどたくさんの人の支えがあって今の自分があります。
大切にして欲しい1つ目は、【周りの人に感謝しよう】です。ぜひ、今日帰ったらおうちの人にありがとうを伝えましょう」
「2つ目。次のお話は皆さんは運命的な出会いでこの教室にいるということです。地球始まってから46億年。人類が誕生してから500万年。その長い歴史の中で、2012年に生まれて、●●県の●●市の●●中学校に通っている。この時点で結構奇跡なんです。その中でもこのクラスにいる30人は同じクラスになりました。これも奇跡です。私が皆さんの担任になった。これも奇跡です。
何千何万分の1という確率で出会った、奇跡的な30人集団。ぜひ、仲間を大切にして欲しいです。これが大切にして欲しい2つ目の話、【仲間を大切にしよう】です。
もちろん、クラスメイトを大切にできない行為は絶対に許しません。いじめは絶対に許しません。運命的な出会いでできた仲間を大切にしてください。
確認ですが、1つ目は、【周りの人に感謝しよう】2つ目は、【仲間を大切にしよう】でした。
最後に大切にして欲しい事は【忘れ物をしないこと】です。あれれ?なんだか3つ目だけ地味だなと思った人は居ますか?
正直そう思いますよね。
でも、忘れ物をしないことはとても難しいんです。今日、配布する物はありませんが、明日からいろいろなお便りを持って帰ります。4月10日までに提出して欲しいお便りも3つあります。
お便りをもらったら、その日のうちにおうちの人に渡しましょう。○日までに提出しないといけないよということも伝えるようにしましょう。
保護者の皆さんも協力お願いします」(軽く礼)
「では、大切にして欲しい3つの事を確認しましょう。
1つ目は何でしたか?」<<周りの人に感謝しよう>>
「そうですね。周りの人に感謝して中学校生活を送りましょう。2つ目は?」<<仲間を大切にしよう>>
「そうです。そして3つ目が?」<<忘れ物をしないこと>>
「そうです。」
「実は、今日配布する学級便りにはみんなに大切にして欲しい3つの事が書いてありますが、一部空欄になってます。埋めてからおうちの人に渡してください。」
「1年間よろしくねという意味を込めて、全員と握手したいと思います。出席番号順に握手していくので待っていてください」
~~「よろしく」と良いながら握手していく~~
「みんなのやる気伝わってきました!2組のみんな、1年間よろしく!では最後に、お便りを配ります。」
配布してからおわりのあいさつ
「保護者の皆様、本日はありがとうございました。今年1年、皆さまの大切なお子様と一緒に過ごさせて頂きます。誠心誠意、全力で指導いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
挨拶をして帰りましょう。起立、礼、さようなら~。」
セリフはここまでです。
【雰囲気作り】中1の担任に必要な資質・能力
中学1年生の担任に求められる資質・能力は何でしょうか?
私が思うに、「授業のわかりやすさ」でも、「教科の専門的な知識」でもありません。
大げさに言うなら「緊張をコントロールできる力」です。若い先生だからってなめられちゃいけません。
- しっかりと良くないことは怒る
- 一貫した指導・芯のある指導をする
- フワついた雰囲気を引き締める
- 緊張しすぎている時は安心させる
若いからとか関係なく「指導力・発言力の強さ」が必要です。
生徒=友達みたいな感じで、仲良しクラスを作りたいという先生も、若い先生に多いと思います。身近な先生も同じでしたが、自分自身もそう思っていました。
しかし、現実の学校における中1の担任は「規律を守らせること」が最低限必要です。

良くない行いを見過ごしていると、「この先生はここまでならしても大丈夫」という生徒がどんどん増えていきます。
学級が荒れ、崩壊し、授業が成り立たなくなる原因は意外と小さな問題から始まっています。
こんな言い方して良いのか分かりませんが、「自分は偉い人」と思うくらいで良いと思います。偉い人の話はしっかり聞きますし、偉い人に怒られたら直そうってなります。
良くないことに本気でぶつかり、良いことを全力で褒めていけば良いクラスができます。
先生の優しさとは、なにか。優しい先生とは、どんな先生か。
優しい先生とは、「ルールを守っていない生徒」をみなかったことにする先生ではなく、「ルールを守っていない生徒」に対して指導ができる先生です。
最後に

生徒たちは、「新しい先生への期待感」と「入学式の緊張、緊張の解放」が混じり合った不思議な気持ちで席に座っています。
学活の時間は、その不思議な気持ちの生徒たちに、しっかりと話を降り注ぎ信頼を獲得する時間です。
ルールを守らないと指導されるんだ。忘れ物したら怒られるんだって思ってくれている間はとても指導しやすいです。
生徒とともに、素晴らしい学級を作り上げていってくださいね!

