下血がある人は仕事休んで即病院へ。潰瘍性大腸炎(UC)の初期症状。

つかさの教室、教室長のつかさです。
私が患っている指定難病97「潰瘍性大腸炎(UC)」の初期症状について解説していきたいと思います。
なんとなくお腹の調子が悪い、トイレの回数が増えた、血が混ざった便が出た。こうした症状がある方は、「潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)」の可能性を疑う必要があります。
潰瘍性大腸炎は、早期発見と治療の開始が何より重要です。特に下血(血便)が見られる場合は、すぐに病院を受診してください。
潰瘍性大腸炎(UC)とは?
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に慢性的な炎症や潰瘍が生じる疾患で、国の指定難病97になっています。
原因ははっきりとわかっておらず、免疫の異常や腸内環境、遺伝的要因が関係していると考えられています。
近年、20代30代の若者を中心に全年齢で患者数が増加傾向にあります。
今回の記事では私の初期症状や一般的な初期症状を紹介します。症状には個人差があると思いますので、自身で判断することなく専門機関の診察を受けてください。
完治することはない
指定難病なので、完治しない病気となっています。
活動期(症状が悪化している時期)と寛解期(症状が落ち着いている時期)を繰り返す病気です。
いかに寛解期を継続していくかという治療方針になります。

私は水色でした。今は免疫抑制の注射で落ち着いていますが、服薬している薬(5ASA製薬)の量は初期から変わっていません。
レベル(ステージ)が存在する。
潰瘍性大腸炎はいくつかの分類があります。
炎症の度合いでも、軽度・中等度・重度の3種類があります。
炎症の度合いによって、治療法が変わってきます。
段階 | 治療法 |
---|---|
レベル5(重症) | 大腸全摘出 |
レベル4 | 免疫抑制剤・生物学的製剤 |
レベル3 | 血球成分除去療法 |
レベル2 | ステロイド・免疫調整剤 |
レベル1(軽症) | 5ASA製薬 |
大腸の炎症によって、大腸ポリープや大腸ガンになりやすいとも言われています。
なるべく炎症のない状態を維持したいです。5ASA製薬(リアルダ)だけで落ち着く人もいれば、ステロイドで落ち着く人、免疫抑制剤で落ち着く人、何をしても炎症が落ち着かない人など様々いるのがこの病気です。
潰瘍性大腸炎の初期症状

下記の症状がある人は病院の受信をおすすめします。
後で書きますが、私は下血があってもすぐに病院に行きませんでした。
単純に下血に関する知識がなかったためです。
後の章で紹介していますが、下血よりももっと早く病院に行かないと症状が進行する可能性があります。
下痢の頻度が増える
潰瘍性大腸炎の初期には、水っぽい便や頻繁な下痢が現れることが多くなります。
朝から何度もトイレに行きたくなる、便意だけあるけれど出ないなど、日常生活に支障をきたすこともあります。
大腸の腸壁が炎症を起こしている場合、水や食べたものが大腸通過する際に痛みがあります。
大腸が水分を十分に吸収できないので、脱水になりがちです。早めに炎症を押さえましょう。
血便・下血
もっとも注意が必要なのが下血(血便)です。
トイレで真っ赤な血が混ざった便が出た場合や、便器の水が赤く染まるような症状は、すぐに病院へ行くべきサインです。
出血が続くと貧血の原因にもなります。特に若い方や、ストレスが多い環境の方に多く見られがちな症状です。
腹痛・腹部の違和感
お腹の痛みや張り、チクチクした違和感など、漠然とした腹部の症状も初期に現れることがあります。
「なんとなくお腹の調子が悪いな」と思いながら放置してしまうと、悪化のリスクが高まります。
全大腸炎型の特徴は、お腹全体のどこでも痛くなる可能性があると言うこと。
病院に行ってどの辺が痛いかと問われた時、私は困りました。大腸全体が痛くなる人もいるのです。
潰瘍性大腸炎が疑われるときの検査
潰瘍性大腸炎が疑われた場合、医療機関では以下のような検査を行います。
- 血液検査:炎症の有無や貧血の確認
- 便検査:感染症の除外
- 内視鏡検査(大腸カメラ):粘膜の状態を直接確認し、組織を採取して確定診断
腸の病気の場合、感染症の可能性が高いです。
感染症の場合は潰瘍性大腸炎とはなりません。感染源を取り除けば改善に向かうので、潰瘍性大腸炎よりは良いかもしれません。
検査の中でも内視鏡検査は、診断確定に必要な検査であり、早めに受けることが大切です。

ぶっちゃけて言いますが、潰瘍性大腸炎で炎症が起きているところにケツから内視鏡のカメラが入ると激痛です。
炎症の度合いによって痛くなるのですが、内視鏡で痛ければ痛いほど病気が進行している可能性が高いのです。
悪化すると大腸全摘出となるのでそれに比べたら…と思って耐えました。
私の場合は便検査はありませんでしたが、ある場合もあるようです。便検査の代わりに大腸の表皮を何か所も採取することとなりました。
放置してはいけない理由
潰瘍性大腸炎を放っておくと、症状の悪化や大腸がんのリスク上昇にもつながります。
慢性的な炎症が長期間続くことで、腸の正常な働きが損なわれ、日常生活にも大きな影響が出ます。
また、重症化すると手術(大腸の摘出)が必要になるケースもあるため、早期の診断・治療が極めて重要です。
【実録】私の場合の症状と病院での処置
時系列順に書いていきます。もう少し早めに病院に行っていれば、食事制限なく自由に生活できたと考えると悔やまれます。
- 初めの違和感はトイレの回数(クリックで開く)
-
もともと軟便〜下痢気味で、下痢に対しての違和感はほぼありません。
食事による下痢、ストレスによる下痢などしょっちゅうでしたので、一日3回くらい大便をすることもありました。
違和感だったのはおしっこの回数です。
おしっこは一日に何回も行くと思うんですが、私の場合1日に1回〜2回しか行かず、大便の時におしっこも出ない。
おしっこが減り、下痢の回数が増える。これが初めの違和感です。
炎症を起こしている大腸の機能が正常に働かず、血液中の水分量が減ることで、おしっこの回数が減っていたのだと思います。
次に起こったのは「下腹部の痛み」です。これも下痢の時と同じような箇所が痛くなります。
ただ、痛いと言う感覚が頻繁に訪れ、その度にトイレに行くことになってました。トイレいってもガスだけ、水っぽいものが少しだけ。
- ガスや食べたものが腸壁に触れることで痛みがあります。
多い時で、私の場合、朝3回、午前中に1回、午後3回、夕方ごろ1回、夕食後に3回、夜中に1〜2回行ってました。
今考えるとトイレ行き過ぎですが、このくらい行かないと「漏れてしまう」という感覚に襲われます。
おならしてしまったらパンツが汚れてしまうのです。
- 検査をしたのは下血から1か月後(クリックで開く)
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初めての下血は今でも覚えていますが、びっくりしました。
粘血と呼ばれる赤いものがうんちと混ざって出てきました。粘血便と言います。
周りに相談すると、痔なのでは?と言うことで一旦放置。しかし、腹痛は収まることなく、次第に便器の中が鮮血になっていきます。
一週間後にはお腹痛くてトイレ行くと、トイレの中が血ばっかり、ウォシュレット付きのトイレじゃないと拭くのも大変。
教員だったので、管理職にすぐ相談しましたが休みがなかんかとれず。
学校行事や学校訪問、学校公開などと重なると休みがなかなか取れませんよね。
今思いますが、体がダメになる方が現場にダメージ大なので、早めの病院が大事です。
相談から二週間後に病院を予約しました。(粘血便から1ヶ月後でした。)
病院に行くと「なぜ下血してすぐ来なかったのか」と怒られる始末。
すぐに大腸内視鏡をすることになりますが、「全大腸炎型、軽度〜中等症の潰瘍性大腸炎」となりました。
その日から、5ASA製剤(リアルダ)、ミヤBM、ステロイドの服薬が始まります。
ステロイドの効果で、一時的に症状は改善したかに思えました。発熱はこの時まで特になく、あっても37.8℃くらいの微熱?しかありませんでした。
- 悪化し1か月に及ぶ緊急入院!(クリックで開く)
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3月下旬〜4月、学校の先生にとって一番忙しい時期と言っても過言ではないこの時期、朝7時から夜9時くらいまで毎日のように働いてました。
入学式を終えたある日、40℃を超える熱が私を襲いました。ご飯も食べれず、水とゼリー飲料を飲みながら這いつくばってトイレに行く日々。
トイレに行くのもしんどいので、トイレの前で寝たり起きたり、汗だくで死にそうになりながら生活してました。
流石に5日熱が下がらなかったので病院に連れていってもらうと、採血した後すぐ緊急入院となりました。
後から聞くと血液検査の結果、炎症の数値が急上昇しており、脱水と栄養失調?にもなってて、危ない状態だったそう。
入院4週間、家での療養2週間、計6週間のお休みをいただくことになりました。
初めの1週間は絶食。点滴で水分と栄養を補給しトイレの回数も少なく安定してました。
炎症は中等症全大腸炎型に進化してました。
インターネットで調べたまんまの映像が、内視鏡検査で映される画面に出てきて言葉もありません。(資料に使っても良いかと言われるくらい全大腸が炎症状態でした。)
こんなこと言うのも変なのですが、絶食すると体調よくなるんですよね。1週間以上固形物食べなかったので、腸内が空っぽになります。
大腸の中何も入ってないから痛くならないし、消化にエネルギー使ってないなら体も疲れないし、絶食最高って感じでしたね。
※点滴で栄養を得ていたので大丈夫でしたが、絶食状態を家庭でまねしないでください。
- 改善と悪化を繰り返し、免疫抑制剤を使用することに(クリックで開く)
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退院から半年経っても、活動期と寛解期を頻繁に繰り返していたので、生物学的製剤であるシンポニーを試してみることになりました。
今は2ヶ月に一回通院し、1ヶ月に一回のペースで自己注射をしています。
自己注射になってから、通院時間も短くなりましたし、好きなタイミング(自分はお風呂上がりの清潔な時)で注射できるのでおすすめです。
自己注射は、医師の指導のもとやり方を学べば誰でもできるようになります。
シンポニー無しでは生きられない体になってしまったのは残念ですが、この病気についても積極的に発信していきたいなと思いました。
生物学的製剤であるシンポニーは免疫抑制剤なので、コロナの重症化リスクが高いとされているお薬です。
他の人達以上に、普段から感染症対策を十分に行う必要があります。
まとめ
潰瘍性大腸炎の初期症状は、見逃されがちな「下痢」や「お腹の違和感」が多く、特に「下血(血便)」がある場合は要注意です。
放置せず、できるだけ早く病院で検査を受けることが健康を守る第一歩になります。
大丈夫かな…と不安に思った時点で行動に移す。それが結果的に自分の身体を守ることにつながります。
遅くなるほど治療のステージが上がってしまいます。体調悪かったら仕事なんてしてないですぐ病院行きましょう!