【六分の一にならない!】双六でNマス先に止まる確率は?桃鉄、モノポリー、人生ゲームなどのサイコロを使用するゲームで確率の応用
こんにちは、つかさの教室 教室腸のツカサです。
小学校・中学校・高校・大学と確率はどこまで行っても学ぶ事になりますよね。その応用を今回は紹介していきます。
学校の先生方でもとっさに聞かれると間違えるような、意外な計算になります。なので学生の皆さんは、塾や学校の先生に聞いてみても良いかもしれませんね。
【前提の確認】さいころを1回ふる場合
確率で大事なのは前提条件です。
桃鉄をするのか、人生ゲームをするのかで、使うさいころ(人生ゲームの場合はルーレット)が違いますので確率ももちろん違ってきます。
この記事では、一般的なさいころで考えてみましょう。
- さいころは6面のもの
- どの目も等しく同じ確率で出現する物とする
この場合、一度さいころを転がして出る目の確率は1~6で6分の1となります。
| 出目 | 確率 |
| 1 | 6分の1 |
| 2 | 6分の1 |
| 3 | 6分の1 |
| 4 | 6分の1 |
| 5 | 6分の1 |
| 6 | 6分の1 |
当たり前ですが、1度しかさいころを振らない場合は、1マス先から6マス先まで同じ確率でとまることができると言うことになります。

出目が10個ある場合で考えている人はいますか?
10個ある場合は、どの出目も10分の1の確率で出ると言うことになります。
さいころを何度もふれる場合
ここからが双六ゲームの場合の確率の考え方です。
すごろくゲームをする上で鍵となる考え方ですので、詳しく解説していきます。
6マス先にとまれる確率は6分の1ではありません。具体的に計算してみると以下のような値になります。
| ○マス先 | とまれる確率 |
| 1 | 16.6% |
| 2 | 19.4% |
| 3 | 22.7% |
| 4 | 26.5% |
| 5 | 30.9% |
| 6 | 36.0% |
なぜこのようになるのでしょうか、具体的な計算方法を考えてみましょう。
1~6マス先にとまる確率の計算方法
1マス先にとまる場合は、さいころで1を出すしかありません。
しかし、2マス目にとまる場合は、一回目で2を出すパターンの他に1回目で1が出て、2回目も1が出るパターンも存在します。
それぞれ排反な事象なので足し合わせることが可能です。具体的な計算を書いていきます。
- ※排反な事象とは?(クリックで開く)
-
「排反な事象」とは、2つの事象(結果)が同時に起こることが絶対にない、という意味です。
一方の事象が発生したらもう一方は発生しない関係となります。
トランプで例えると、「1のカードが出る」と「2のカードが出る」は排反ですが、「ハートが出る」と「2のカードが出る」は排反ではありません(2のハートのカードがあるため)。
さいころにおける排反の具体例
「1の目が出る」事象と「2の目が出る」事象は排反です。
「偶数が出る」事象と「奇数が出る」事象は排反です。
・1回目に2を出してとまる確率1/6
・1回目に1を出した後に2回目に1を出す確率1/36
2つの事象はともに排反な事象なので、足し合わせることができる。
2マス先にとまる確率は7/36≒19.4%
・1回目に3を出してとまる確率1/6
・1回目に1を出した後に2回目に2を出す確率1/36
・1回目に2を出した後に2回目に1を出す確率1/36
・1回目に1を出した後に2回目に1し、3回目も1を出す確率1/216
4つの事象はともに排反な事象なので、足し合わせることができる。
3マス先にとまる確率は49/216≒22.7%
4以降も同じように考えるので、少し省略して書きます。
・1回目に4を出してとまる確率1/6
・さいころ2回投げて合計4になる確率3/36
・さいころ3回投げて合計4になる確率3/216
・さいころ4回投げて全部1になる確率1/1296
すべての事象はともに排反な事象なので、足し合わせることができる。
4マス先にとまる確率は343/1296≒26.5%
・1回目に5を出してとまる確率1/6
・さいころ2回投げて合計5になる確率4/36
・さいころ3回投げて合計5になる確率6/216
・さいころ4回投げて合計5になる確率4/1296
・さいころ5回投げて全部1になる確率1/7776
すべての事象はともに排反な事象なので、足し合わせることができる。
5マス先にとまる確率は2401/7776≒30.9%
・1回目に6を出してとまる確率1/6
・さいころ2回投げて合計6になる確率4/36
・さいころ3回投げて合計6になる確率6/216
・さいころ4回投げて合計6になる確率4/1296
・さいころ5回投げて合計6になる確率4/1296
・さいころ6回投げて全部1になる確率1/7776
すべての事象はともに排反な事象なので、足し合わせることができる。
6マス先にとまる確率は16807/46656≒36.0%
このように1マス先~6マス先の場合であれば、先のマスであればあるほどとまれる確率は高まっていきます。
Nマス先にとまる確率(7マス先以降)
先ほどまでの数字を見ていた人からすると、6マス先よりも7マス目以降の方が確率高そうと感じますよね。

実は、6マス目にとまる確率が最大になります。
7マス目以降は確実に2回さいころを振らないといけなくなるので、確率がグッと低くなります。
| Nマス先 | とまる確率 |
|---|---|
| 6 | 36.02% |
| 7 | 25.36% |
| 8 | 26.81% |
| 9 | 28.04% |
| 10 | 28.93% |
どんどん、Nを大きくしていくと1/3.5と言う値に近づいていきます。
3.5というのは、1回さいころを振ったときにでる目の期待値です。
1回で平均して3.5マス進むさいころなので、1マスあたりにとまる確率は1/3.5となるわけです。
3.5マスに一つとまれるわけですから、アクシデントマスが3マス並んでいるところには結構な高確率でとまってしまうというわけです。
【考えてみよう】特殊なさいころ(アイテム)を使用した方が良い場面
パワフルプロ野球というモバイルアプリ内でイベントとして双六が登場しました。
その双六では、以下のようなさいころが登場するのです。
- 1~3しか出ないさいころ
- 4~6しか出ないさいころ
みたいなのが登場します。他のゲームでは、奇数しかでないさいころや偶数しか出ないさいころみたいなのを見たことがあります。
- 考えてみよう①
-
もし4マス先にとまりたい場合、どのさいころを何回使用するととまれる確率が高くなるか?
さいころは以下の物があるとする。
・1~6が出るさいころ:いっぱい
・1~3がでるさいころ:いっぱい
・4~6がでるさいころ:いっぱい
この場合、4マス先にとまるためにどうするのが最善であると考えられるかな?
- 答え(解説は少し)
-
最も4マス先にとまりやすいのは、1~3しか出ないさいころのみを使用する。計算してみると81分の37となるので、約45%の確率で4マス先にとまれることになります。
簡単に解説すると、以下の4通りの内どれが最も4マス先にとまれるか考える問題です。
①普通の6面のさいころでふり続ける
②4~6しか出ないさいころを1回ふる
③1~3しか出ないさいころをふり続ける
④1~6が出るさいころを一度ふる、1~3が出た場合1~3が出るさいころをふる。①一番確率が低いです。はじめに4が出る確率6分の1、一回目が3以下で…。と計算していくと26%クライになります。
②4~6しか出ないさいころを1回ふると3分の1の確率でとまりますよね。
④1~6まで出るさいころを1度使用してから、1・2・3が出た場合のみ1~3のさいころをふるとすると約40%の確率でとまることができます。
小さい目がでるさいころは意外と偉いんですよね。
小さい目が出るさいころは重要な場面にとっておくのが良さそうです。また、4~6しか出ないさいころには1~3マス目に確実にとまらなくて良いというメリットがあります。
確実にとまりたくないマスがあるとき、6マス目にとまりたいときなどは4~6しか出ないさいころを使うべきです。
6マス目にとまる場合4~6を使用して3分の1の確率でとまれますし、4,5が出たとしても1~3のさいころを使用することでとまれる確率がぐっとアップします。
まとめ
6マス目にとまれる確率は6分の1ではないと言うことがわかりましたね。
さいころを複数回ふることができる双六では、先のマスであればあるほど高確率でとまることができます。(1~6マス先の場合)
しかし、7マス目以降はとまることができる確率が、6マス目よりも低くなっているのが面白いですよね。
是非いろいろな計算をやってみてください。確率のシリーズは好評だったら記事を増やします!

